女性の体に発疹が出る性病!症状の現れ方や特徴を徹底解説

身体に発疹がでる性感染症 症状の現れ方や特徴を徹底解説

性感染症は、性器や全身に発疹の症状が出る場合がありますが、それぞれ特徴現れ方に違いがあります。

不特定多数の人と性的接触の経験があるなど、性感染症に感染する危険がある行為をした後に発疹がでた場合、もしかしてうつったのではないかと心配になる人もいるでしょう。

しかし、発疹は性感染症だけでなく、他の疾患でも現れます。

この記事で分かること
  • 発疹が現れる原因
  • 疾患による発疹の種類
  • 受診の時期
  • 症状を放置する危険性

性感染症に感染しているのではないかと不安な人は、発疹の現れ方など正しい知識を習得し、早期に病院を受診して検査を受ける必要があります。

目次

性感染症には性器や全身に発疹の症状が現れるものがある

性的接触で皮膚や粘膜から感染

性感染症に感染すると、自覚症状がない場合もありますが、性器や全身に発疹の症状が現れる人もいます。

発疹とは、皮膚の表面に水ぶくれや小さなぶつぶつしたものが現れる状態のことであり、以下のような性感染症に感染した場合に発疹の症状が出ます。

発疹の症状がある性感染症
  • 梅毒
  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ
発疹の症状がある性感染症

発疹の症状は、体の異常を知らせるもので潜伏期間を経て現れますが、それぞれ症状が出現する時期原因となるウイルスも異なります。

感染経路は、どの性感染症でも性行為や口腔性交などの性的接触であり、皮膚や粘膜からの感染です。

そのため、性的接触の経験がある人は誰でも感染する可能性があります。

性的接触後に発疹の症状が現れた場合は、性感染症への感染が疑われます。

梅毒は放置すると症状は進行するが治療により完治可能な性感染症である

梅毒は梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌によって起こる性感染症であり、放置すると全身に広がり、重症化したり命に危険を及ぼしたりします。

感染経路は、以下のとおりです。

梅毒の感染経路
  • 性行為
  • 口腔性交
  • 肛門性交
  • キス
  • 母子感染
  • 血液感染

梅毒は性器や口腔の粘膜にできたしこりや潰瘍、発疹などに触れると感染するため性的接触だけでなく、口の中に病変がある場合はディープキスでも感染します。

さらに、傷口が梅毒の病変部位に触れても、そこから梅毒トレポネーマが侵入して感染を引き起こす場合があります。

妊婦が梅毒に感染すると胎盤を通じて胎児に感染して、最悪の場合、流産死産を招く可能性があるでしょう。

梅毒に感染すると、3〜4週間の潜伏期間を経て潰瘍などの症状が出現します。

その後、治療をしなくても症状は自然に消失しますが、梅毒トレポネーマは血流にのって全身に広がっており、完治はしていません

感染から3ヶ月以降、全身に広がった梅毒トレポネーマの影響で体全体に発疹が現れますが、これも自然に症状が消失して次の段階へと進みます。

このように梅毒は治療せずに放置しても症状の出現と消失を繰り返しながら病気は徐々に進行していき、最終的に脳や心臓にも病変が現れ、命の危険を招く病気です。

梅毒は自然治癒はしませんが、ペニシリンと呼ばれる薬剤を使用すると完治可能であり、治療開始の時期が早い場合は比較的容易に治ります。

梅毒の発疹症状は体全身に現れる

ヘルペスはウイルスを体内から完全に排除できない性感染症である

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって起こる性感染症であり、1型2型の2種類が関与しています。

感染経路は、以下のとおりです。

ヘルペスの感染経路
  • 性行為
  • 口腔性交
  • 肛門性交
  • 唾液
  • 母子感染

1型は口唇やその周辺に感染して口唇ヘルペスの原因となり、キスや口腔性交で感染するだけでなく、唾液が触れた食器を介して子供にもうつる可能性があります。

2型は、性器に感染して性器ヘルペスの原因となり、性的接触によって病変部や分泌物に含まれているウイルスが粘膜などに触れると感染します。

感染すると3〜7日の潜伏期間を経て、性器や口の周囲に小さな水疱潰瘍が出現し、初発感染の場合は痛みも強く出るでしょう。

さらに性器にヘルペスの病変がある母親が分娩した場合、胎児が産道を通って産まれる際に母子感染を起こし、脳炎など重篤な合併症を招く可能性もあります。

ヘルペスは、時間の経過とともに症状が軽快する場合がありますが、症状を抑えるためには抗ヘルペスウイルス薬の内服治療を行います。

しかしヘルペスは一度感染すると体の中からウイルスを完全に排除できないため、治療は根治ではなく、対症療法が中心です。

そのためヘルペスウイルス感染後に症状が消失しても、神経節にウイルスは潜伏しており、免疫力が低下した時に再び同じ場所に病変が現れます。

加えて、ヘルペスの症状が出現しているときは感染力が非常に高いですが、無症状の時も感染する可能性があります。

尖圭コンジローマは免疫力が低下した際に再発する可能性が高い

尖圭コンジローマは、6型や11型などのヒトパピローマウイルスが原因で起こる性感染症であり、性交経験のある女性の50%以上が感染するといわれています。

感染経路は、以下のとおりです。

尖圭コンジローマの感染経路
  • 性行為
  • 口腔性交
  • 肛門性交
  • キス
  • 接触感染
  • 母子感染

病変が粘膜に触れて感染が起こるため、性行為や口腔性交など性的接触によって起こりますが、病変を触った手で傷口粘膜を触った場合にもうつる可能性があります。

ただし、ヒトパピローマウイルスに感染しても全員に症状が現れるわけではなく、ほとんどの人は免疫機能によってウイルスは自然に消失します。

尖圭コンジローマの症状が現れるのは、睡眠不足やストレスによる免疫力低下が原因です。

潜伏期間は3週間〜8ヶ月ですが、2〜3ヶ月で症状が現れる場合が多く、感染した部位に特徴的なイボができて治療しないと数が増えたり増大したりします。

尖圭コンジローマの症状は特徴的なイボ 免疫力低下時に発症の恐れ

さらに妊娠中に感染が分かった場合、産道にイボがあると胎児が産まれてくる際に感染を起こし、多発性喉頭乳頭種を発症して重篤な状態になる危険性があります。

治療はウイルスを排除するのではなく、塗り薬でイボを小さくするか、外科的治療でイボ自体を取り除く方法です。

そのため、治療後もウイルスがすぐには体内から排除されず、3ヶ月以内に再発する可能性があります。

しかし、免疫機能が正常な場合は、治療後8ヶ月経過すると約50%の人はウイルスは自然に排除されます。

妊婦では、分娩までに尖圭コンジローマが治癒している場合、胎児への感染リスクは低いです。

発疹が現れる疾患は性感染症ではなく皮膚トラブルの可能性もある

発疹が現れる疾患は、必ずしも性感染症だけが原因ではなく、日常生活でよくみられる皮膚トラブルでも生じます。

発疹の症状を引き起こす疾患には、以下のようなものがあります。

疾患特徴
接触皮膚炎・アレルゲンへの接触が原因
・症状は赤みを帯びた発疹、水疱、痒み、痛み
蕁麻疹・アレルゲンの摂取、温度変化、ストレス、疲労が原因
・症状は赤い膨疹、強い痒み、呼吸困難
ニキビ・ホルモンバランスや生活習慣の乱れ、ストレス、皮脂分泌過多が原因
・症状は赤い丘疹、白ニキビ、黒ニキビ
異汗性湿疹・汗をかく時期に多い
・金属アレルギーなども要因
・症状は足の裏、手のひらや指に小さな水疱が多発

発疹が現れる疾患はさまざまであり、症状の出方や原因を正しく理解すると、性感染症によるものかそれ以外の皮膚疾患によるものかを見分ける手掛かりになるでしょう。

性感染症によって発疹の現れ方やその他の症状にも違いがある

主な発疹の種類と特徴

発疹にはさまざま種類があり、疾患によって現れる時期形状出る部位に違いがあります。

発疹の種類は、以下のとおりです。

種類特徴
紅斑皮膚の色が変化した平らな皮疹
丘疹、結節、腫瘤皮膚から盛り上がった小さなぶつぶつ1cm未満のものを丘疹、1〜3cmのものを結節、3cmより大きいものを腫瘤と呼ぶ
水泡血清成分の貯留によるもの
膿疱膿が貯留したもの
蕁麻疹平たく盛り上がっている、柔らかい数分〜数時間で症状は消失する
疾患によって時期・形状等が異なる

性感染症による発疹は特徴的なイボができるものや、性器のみに限局するもの、全身に見られるものがあります。

さらに、発疹以外にも様々な症状を呈するため、その他の症状の観察も必要です。

梅毒では感染数ヶ月後から全身に赤い斑点や扁平状のイボが現れる

梅毒に感染すると3〜4週間の潜伏期間を経て、第1期から晩期顕性へと徐々に症状が進行していきます。

第1期では性器や口腔などの感染部位に硬性下疳と呼ばれる潰瘍ができたり、足の付け根近くにあるリンパ節が腫れたりしますが、両方とも痛みは伴いません。

さらに治療をしなくても2〜4週間経過すると自然に消失するため、治ったと勘違いして発見が遅れると、次の段階へと進行していきます。

感染から3ヶ月経過すると第2期に進行し、梅毒トレポネーマは血液の流れに乗って体中をめぐり、全身に症状が現れます。

この時期に現れる全身症状は、以下のとおりです。

第2期に現れる全身症状
  • 梅毒性バラ疹
  • 扁平コンジローマ
  • 膿疱性梅毒
  • 丘疹性梅毒疹
  • 発熱
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • 嘔気

発疹が現れるのは第2期であり、バラ疹と呼ばれる赤い斑点や性器などにできる扁平で湿った灰白色のイボが特徴の扁平コンジローマがみられます。

他にも、膿を含んだ膿疱性梅毒や、赤褐色の丘疹が体幹を中心として四肢などに広がる丘疹性梅毒疹が現れる場合があります。

全身症状としては、発熱や頭痛などインフルエンザ症状が現れますが、第2期も治療をしなくても症状は自然に消失するのが梅毒の特徴です。

ここから潜伏期に突入して数年症状がないまま経過しますが、梅毒トレポネーマは体内に残っており、ゆっくり病気は進行しています。

梅毒に感染して数年経過すると第3期に移行して、筋肉や内蔵などにゴム腫と呼ばれる柔らかい腫瘤が出現したり、大動脈瘤や弁膜症を招く心血管梅毒を引き起こしたりします。

梅毒は、早期に治療をすると完治が可能な性感染症ですが、放置した場合は命に危険を及ぼす状態まで進行するため早期発見が大切です。

痛みのない潰瘍ができた後に自然に軽快して、その後全身性にバラ疹や扁平で湿った灰白色のイボなどが現れたら、早期に検査を受けましょう。

ヘルペスは水疱形成後に破れて激しい痛みを伴う潰瘍になる

ヘルペスは水疱が潰瘍に変化する

ヘルペスは感染後3〜7日経過すると性器や肛門周囲など感染部位に小丘疹が現れ、その後、水疱を形成します。

そして水疱は破れて潰瘍となり、初感染では再発時に比べて痛みも強く、症状が広範囲に及ぶのが特徴です。

潰瘍は赤く腫れて湿潤しており、水疱が破れて内部から出てきた液体にはウイルスが含まれているため、感染を拡大させる危険性があるでしょう。

さらに全身症状では38度以上の発熱倦怠感排尿時痛がありますが、ヘルペスは治療をしなくても2〜4週間程度で自然に症状は治ります

ヘルペスは、感染しても治療によってウイルスを完全に体外に排出するのは難しく、免疫力の低下などが原因で容易に再発を繰り返します。

再発の場合は、初感染に比べて水疱の数や痛みも軽度であり、全身症状を伴う症例は少ないです。

感染部位に水疱を形成後、破れて激しい痛みを伴う潰瘍に変化した場合はヘルペスウイルスの感染が疑われるため、性行為は控えて感染拡大の防止に努める必要があります。

尖圭コンジローマはイボが大きくなると特徴的な形態を示す

尖圭コンジローマは、感染2〜3ヶ月後に性器や肛門周囲に特徴的なイボが現れる性感染症です。

最初は痛みを伴わない小さなイボが数個ある程度ですが、放置するとイボが大きくなり、さらに数も増えていきます。

イボは白色や薄ピンク色などさまざまで、脆いため容易に傷つき、衣服や性行為で擦れると出血や炎症を起こすのが特徴です。

イボの見た目は、以下のような特徴があります。

尖圭コンジローマのイボの特徴
  • ざらざらしている
  • 先端は尖っている
  • 鶏のトサカのような形
  • カリフラワーのような形態

イボが小さい時は、尖圭コンジローマと気づくのは困難な場合もありますが、イボが増殖して隣同士がくっつくとカリフラワー状の形態など特徴的なイボが現れます。

他の性感染症と違って全身症状は現れませんが、イボが増えると痛みや痒みを伴う場合があります。

性行為などの後に発疹がでた場合は自己判断せずに受診する必要がある

発疹の自己判断は困難

性感染症は自覚症状が乏しいものも多いですが、性器全身に発疹が現れる場合もあります。

しかし、発疹は日常的によく見られる症状であり、それが性感染症かどうかを自分で判断するのは困難です。

不特定多数の人や感染の可能性がある人と性行為を行った後に、発疹が出た場合は、早期に医療機関を受診しましょう。

皮膚トラブルか性病かの自己判断は困難

特に、以下のような症状が出ている場合には、受診をしてください。

  • 発疹が増大している
  • 性器以外の部位にも発疹が出ている
  • 強い痒み痛み、出血がある
  • 全身症状が現れている

梅毒のように体に発疹が出ている場合は皮膚科でも対応可能ですが、性器の病変に対しては、膣内まで詳しく観察できる婦人科性感染症科を受診するのが望ましいです。

医療機関では最初に詳しい問診があり、その後尿検査膣ぬぐい検査が行われ、梅毒の場合は血液検査も行われます。

問診の際には性行為歴や既往歴、発疹のできた時期や部位、その他の症状について聞かれるため事前に答えられる準備をしておくと診察がスムーズです。

性感染症は早期に治療を開始すると重症化を予防できる

性感染症が自然治癒するのは稀であり、発疹などの症状が消失した場合でもウイルスは体内に残り、進行を続けています。

特に梅毒を放置すると、心臓や脳に障害を起こし、記憶障害大動脈瘤のような重篤な合併症を招く危険性があります。

そのため、症状が軽度の段階で医療機関を受診し、早期に検査や治療を行うのが望ましいです。

尖圭コンジローマも放置するとイボの数が増えて増大しますが、初期の小さいうちは塗り薬だけでも治療できる場合があります。

性感染症は治療をしないと完治せず、進行して重症化する可能性があるため、発疹や違和感があるときは早期に医療機関を受診しましょう。

発疹が体に現れた場合は早期受診が症状悪化の予防には大切である

適切な検査と治療を受けよう

女性の体に現れる発疹は、ニキビなどの皮膚トラブルから性感染症まで、原因はさまざまです。

さらに、症状の現れ方や形態に違いがありますが、性感染症は放置すると症状が悪化したり重症化したりする場合があります。

そのため、感染する可能性がある行為をした後に発疹の症状が現れた場合は、自己判断で放置せずに早期に医療機関を受診しましょう。

適切な検査や治療を受けると、重症化を防ぎ、症状も軽減できます。

性感染症の中には、治療をしてもウイルスを体から完全に排除できないものもありますが、症状の消失再発予防は可能です。

発疹の症状は体の中で何かが起こっている兆候であるため、症状が皮膚に出ている場合は皮膚科、性器に出ている時は婦人科などを受診すると症状の悪化を最小限に抑えられます。

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