おりものの異常と性病の関係とは!症状チェックと予防法を紹介

おりものの異常は性病のサイン?症状チェックと予防法

おりものは、私たちの体の健康状態を教えてくれる大切なサインのひとつです。

おりものの量や性状が変わった時に、正常な変化なのか、もしくは異常なのか判断に迷う場合があると思います。

この記事では、おりものの変化と性病の関係について解説します。

この記事でわかること
  • 黄色や黄緑色など普段と色が違うおりものや、悪臭のするおりものは性病のサインである
  • 性病の検査結果が陽性だった場合、抗菌薬や抗ウイルス薬で治療する
  • コンドームの正しい使用や生活習慣の見直しで、性病の予防ができる

性病の具体的な症状予防方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

おりもの(帯下)は女性の健康状態のバロメーターである

おりものは健康状態を示す基本な役割3つ

おりもの(帯下)とは、子宮や膣、汗腺から分泌される粘性をもった液体です。

おりものの量はホルモン量によって変化するため、女性の健康状態を示すバロメーターになります。

おりものの基本的な役割は、以下のとおりです。

おりものの基本的な役割
膣内の自浄作用

膣内を酸性に保ち、外部からの細菌の侵入を防ぐ

受精のサポート

排卵期にゼリー状のおりものが増えて、精子が子宮に到達する手助けをする

ホルモンバランスの指標

おりものの量や性状は、ホルモンの量によって変化するため、ホルモンバランスの指標になる。

正常なおりものはやや水様で少し白色を帯びており、若干酸っぱい匂いがします。

おりものの匂いや量、また性状が変化した場合は、異常なおりものであると考えられます。

性病にかかった場合、おりものの色や性状が変化する

性病にかかった場合、おりものの色や性状が変化する場合があります。

以下のような症状がある場合、性病に感染した可能性があります。

おりものの異常を見極めるポイント4つ
  • 悪臭がする
  • 黄色や黄緑色で膿のようなドロドロとした状態になる
  • ピンク色や茶色など血が混じった状態になる。
  • 1日に何度も下着を取り替える必要があるほどおりものの量が増える

参照元:おりものについて教えてもらえますか?-日本産婦人科学会

性病にかかった際のおりものの主な特徴や、その他の症状は以下のとおりです。

疾患名おりものの特徴・その他症状
性器クラミジア感染症黄色または茶色のおりもの
のどの違和感
性交時の痛み
不正出血妊娠中の場合は早期流産
膣トリコモナス症悪臭のする泡状の黄色いおりもの
外陰部のかゆみ
排尿やセックスの際にしみる
淋菌感染症黄色っぽく悪臭のするおりもの
発熱
のどの違和感
下腹部の痛み
性交時の痛み
不正出血

おりものの変化がみられない性病もある

なお下記に記したとおり、おりものの異常以外に症状が出る性病もあります。

疾患名症状
梅毒口腔内、性器、肛門にできるしこり、ただれバラ疹(手のひら、足の裏、体幹にできる赤い湿疹)ゴム腫(骨、筋肉、皮膚に出現するゴムのような腫瘤)
HIV感染症発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛み、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢無症状の場合もある
性器ヘルペスウイルス感染症大陰唇や小陰唇から膣、会陰部にかけてできる、痛みやかゆみのある水疱や潰瘍足の付け根のリンパ節の腫れや痛み排尿時痛や排尿障害初感染時には、発熱する場合もある。
A型肝炎発熱倦怠感
B型肝炎微熱程度の発熱食欲不振全身倦怠感悪心、嘔吐黄疸
C型肝炎全身倦怠感、食欲不振、嘔吐
尖圭コンジローマ外陰部、膣、肛門の周りにできる白、薄ピンク、褐色のカリフラワー様のイボ

参照元:性感染症-厚生労働省

性病に感染しても無症状の場合がある

無症状の性病にも注意 重症化を防ぐには早期発見と治療

性器クラミジア感染症や淋菌感染症は、感染してもおりものに変化が無いケースが多く、気づかないうちに感染して病気が進行してしまうリスクがあります。

パートナーが性病に感染していた場合や、複数のパートナーと関係を持った場合など、性病に感染した可能性のある行動をとった時にはすぐに検査をしましょう。

早期発見・早期治療で、病気が重症化する前に治療できます。

性病を放置すると不妊症の原因になる

性病は妊娠にも影響 不妊症や産道感染の恐れ

性病を治療しないまま放置していると、以下のような合併症を引き起こし不妊症の原因となります。

骨盤内感染症(女性の場合)

クラミジア、淋菌などが原因となって発症する。骨盤内の臓器(子宮や直腸など)が炎症し子宮外妊娠や不妊症の原因となる。

精巣上体炎(男性の場合)

クラミジア、淋菌などが原因となって発症する。精巣のあたりが腫れて炎症し、男性不妊の原因となる

参照元:骨盤内感染症(PID)の総論-日本産婦人科学会
参照元:出産年齢の性経験のある女性における骨盤内炎症性疾患の罹患率ーアメリカ、2013~2014年-国際医学情報センター

また妊婦が性器クラミジア感染症にかかった場合には、出産時に赤ちゃんに産道感染して、新生児肺炎や結膜炎になるリスクがあります。

性病の検査方法は主に3つの方法がある

性病が疑われるときに行う検査方法には、以下の3つの方法があります。

おりものの検査

専用の綿棒を使用して、膣の中からおりものを採取します。

調べる病気:クラミジア、淋菌感染症、トリコモナス症

血液検査

血液を介して感染する病気や細菌を調べます。

調べる病気:HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎

視診

性器ヘルペスや尖圭コンジローマは視診だけでわかります。

参照元:性感染症の検査ってどんなことをするのですか?-日本産婦人科学会

性病の検査は保健所や医療機関で受けられ、HIVや梅毒の場合は保健所で匿名にて検査できます。

検査で陽性になった場合の対処法4つ

検査結果が陽性だった場合、以下に挙げるポイントに注意して適切に治療を受けましょう。

1.医師の指示に従う

治療方法や治療期間について医師に指示を仰ぎ、適切な治療を開始します。

2.パートナーに検査を受けてもらう

パートナーも性病に感染している可能性が高いため、検査を受けてもらいます。

検査が陽性だった場合、パートナーも同時に治療をしましょう。

3.性行為を控える

症状が軽くなっても、治療が完全に終了するまでは性行為を控えましょう。

4.再検査を受ける

治療後、必要であれば再検査をして完治しているかを確認します。

性病に感染した場合の治療方法

感染した場合は薬物治療 医師の指示に従い適切な治療を

性病に感染した場合、多くの場合抗菌薬や抗ウイルス薬等の薬物治療を行います。

主な性病の治療方法は、以下のとおりです。

疾患名治療方法
性器クラミジア感染症抗菌薬
淋菌感染症抗菌薬
性器ヘルペスウイルス感染症抗ウイルス薬
尖圭コンジローマ薬を患部に塗る外科的にイボを取り除く
HIV抗HIVウイルス薬
梅毒ペニシリン系などの抗菌薬

治療中に薬を中断してしまうと、完全に治りきらずに症状が悪化してしまうリスクがあります。

症状が軽くなったからと自分の判断で薬を中断せずに、医師に処方された薬は全て飲みきりましょう。

治療後の注意点と再発防止

再感染しないためには 治療後の予防法

治療後、再感染しないために気をつける点は以下のとおりです。

コンドームを正しく使う

性行為の際には、必ずコンドームを使用しましょう。

ただしコンドームは感染リスクを大幅に減らしますが、100%ではないため、定期的に検査をしましょう。

  • 性行為を行う際ははじめから終わりまで必ずつける
  • コンドームの注意書きに従って使用する
  • 射精後にすみやかに抜く
  • 外に精液が漏れないようにティッシュペーパーなどに包んで捨てる

参照元:コンドームの使い方-船橋市

ワクチンを活用する

HPVワクチン(子宮頸がんや尖圭コンジローマを防ぐ)やA型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンが有効です。

予防内服をする

HIV感染症の予防の際に有効な方法として、曝露前に内服する方法と、曝露後に内服する方法があります。

生活習慣の見直し

食習慣や睡眠時間などの生活習慣を見直すと、免疫力が上がります。

おりものの変化に気づいたら病院で検査を受けよう

おりものの異常は、性病にかかったサインである可能性が高いです。

性病の種類ごとに特徴的なおりものの変化や症状があり、放置すると不妊症などの合併症を引き起こします。

病気を重症化させないためには、早期発見や早期治療が重要です。

感染予防を意識するとともに、おりものの変化に気づいたときにはすぐに病院で検査を受けましょう。

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