女性の陰部にできたできものの危険性とは!症状別の原因と対処法を紹介

陰部のできものの危険性とは 症状別に原因と対処法を解説

陰部にできものを見つけると、不安や戸惑いを感じる女性は少なくありません。

陰部のできものはその形や色、痛みの有無によって、性病や炎症など原因がさまざまです。

そのため、陰部のできものの原因を正しく理解し、症状に応じた適切な対処を行うのが健康を守るための第一歩となります。

この記事では、陰部のできものの種類特徴や見分け方などを症状別に詳しく解説します。

この記事で分かること
  • 女性の陰部にできたできものは体からの異変のサイン
  • 陰部のできものの原因
  • 陰部のできものの原因が性病の場合の症状と対処法
  • 陰部のできものの原因が炎症性の場合の特徴と対処法
  • 医療機関を受診する目安

他にも陰部のできものの原因に応じた具体的な対処法や、医療機関を受診する目安なども紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

女性の陰部にできたできものは体からの異変のサインである

陰部にできものができたとき、それは体が発している異変のサインである可能性があります。

単なる炎症や刺激による一時的な反応であるほか、感染症やホルモンバランスの乱れなど、治療やケアが必要な体調の変化を知らせている場合もあります。

そのため、できものを軽視せずにその原因を確かめるのが不安の解消につながり、健康を守るうえで重要です。

陰部にできものを見つけると、多くの女性は病気なのではないかと心配になります。

デリケートな部分の症状であるため、気軽に相談できず、1人で悩む人も少なくありません。

しかし、そのまま放置してしまうと症状が悪化したり、感染が広がったりする恐れがあります。

そのため、体が何かが起こっているサインだと受け止め、冷静に対応するのが大切です。

誰でも起こり得る症状であり恥ずかしいものではないため、陰部にできものを見つけたときこそ、体からのサインを受け止めて健康を守るチャンスだと考えてください。

陰部のできものは異変のサイン

陰部のできものの原因は性病によるものと細菌感染によるものの2つに大きく分類される

女性の陰部のできものは、その原因を大きく性病によるものと細菌感染によるものの2つに分類できます。

性病が原因の場合、以下の感染によって赤い腫れ水ぶくれいぼ状の隆起が現れ、強い痛みやかゆみを伴う場合があります。

  • クラミジア
  • 尖圭コンジローマ
  • 性器ヘルペス

特に性器ヘルペスは再発する可能性が高く、初発時には強い炎症症状が現れます。

一方、細菌感染によるできものは毛穴に細菌が入り込んで起こる毛嚢炎や、バルトリン腺に膿が溜まるバルトリン腺嚢胞腫瘍などが代表的です。

細菌感染によるできものは性行為と関係なく発症する場合も多く、痛みやしこり、熱感を伴うケースがあります。

陰部のできものは原因によって治療法が大幅に異なるため、自己判断を避けて早めに婦人科を受診しましょう。

陰部のできものの原因が性病の場合は性病の種類によってそれぞれ特徴が異なる

陰部にできたできものの原因が性感染症によるものである場合、病気の種類によって症状や進行の仕方が異なります

見た目や痛みの有無が似ていても、実際には全く別の病原体が関わっている場合があり、適切な診断と治療を行うには特徴を知っておくのが大切です。

女性の陰部にできものができる代表的な性感染症は、以下が挙げられます。

  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ
  • 梅毒

上記のような性感染症は放置すると進行し、長期的な健康被害をもたらす場合もあるため、早期発見と早期治療が何より重要です。

性感染症が原因である陰部のできものは、感染の広がりを防ぐためにも、可能な限り早く医療機関で検査を受けてください。

医師の診察では症状の観察に加えて、ウイルスや細菌の有無を確認する検査が行われます。

陰部のできものの原因が特定できると、抗ウイルス薬抗菌薬によって治療が進められ、症状の抑制が可能です。

加えて、パートナーとともに治療を行うと、再感染を予防できます。

医療機関で早期に検査を

性感染症による陰部のできものは、体の異常を知らせる重要なサインです。

見た目の小さな変化の場合でも、その背景に深刻な病気が隠れている可能性があります。

自分の健康を守るためにも、不安を感じたときには我慢せず、早期に専門医に相談しましょう。

尖圭コンジローマが原因の場合は陰部にイボ状のできものが見られる

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされる感染症のひとつです。

主に性交渉を通じて感染し、感染後数週間から数か月の潜伏期間を経て発症します。

最大の特徴は、陰部や肛門のまわりに現れるイボ状のできものです。

初期は小さな突起がひとつ見られる場合もありますが、放置すると数が増えて次第にブツブツと集まり、カリフラワー状の形に広がるケースもあります。

できもの自体は痛みや強いかゆみを伴わない場合が多く、気づかないまま感染を広げてしまうケースも少なくありません。

男女ともに感染しますが、女性の場合は子宮頚部など、目で確認できない部位にできる場合もあります。

見た目が目立たないうちは放置される傾向にありますが、ウイルスは皮膚や粘膜にとどまり、時間とともに増殖していきます。

そのため、このような増殖を防ぐには早期の発見と治療が何よりも重要です。

治療には専用の薬剤を塗布してイボ状のできものを除去する方法や、レーザーによる焼灼手術が用いられます。

しかし、ヒトパピローマウイルス自体を完全に除去する薬はなく、治療後もウイルスが体内に残る場合もあるため、再発の可能性があります。

免疫力低下やストレス、疲労などが再発の引き金になるケースもあるため、治療後も体調管理が欠かせません。

さらにヒトパピローマウイルスの一部の型は子宮頸がんの発症にも関係しているため、女性は定期的な検診を受けるのが理想的です。

尖圭コンジローマは直接命に関わる病気ではありませんが、放置すると感染拡大や再発を招く可能性があります。

陰部にイボ状のようなできものを見つけた場合には、恥ずかしがらず早めに婦人科皮膚科を受診し、正しい診断と治療を受けるのが大切です。

性器ヘルペスは陰部に水ぶくれや潰瘍といった症状を引き起こす

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)への感染によって発症する性感染症です。

主に性行為を介して感染し、初感染時には陰部やその周囲に小さな水ぶくれがいくつも現れます。

これらの水ぶくれは次第に破れ、赤くただれた潰瘍のような状態になります。

強い痛みかゆみを伴う場合が多く、排尿時にしみたり、下着が触れるだけで痛んだりといった不快感を訴える女性も少なくありません。

初感染のときには、発熱や倦怠感、リンパの腫れといった全身症状が出る場合もあります。

性器ヘルペスは再発に要注意

症状が治まったように見える場合でも、ウイルスは体内の神経節に潜伏し、完全に消えないのが特徴です。

そのため、ストレスや疲労、免疫力の低下といったタイミングで再び活性化して同じような症状を繰り返す可能性があります。

これが、性器ヘルペスの最大の特徴です。

再発時は初感染より症状が軽く、水ぶくれの数も少ない傾向にありますが、再発を重ねるたびに不安やストレスが蓄積する可能性が高いです。

現在の治療では抗ウイルス薬を用いて症状を抑え、再発を予防できます。

発症の早期に服薬を開始すると、痛みやかゆみを軽減し、回復を早める効果が期待できます。

性器ヘルペスは放置するとパートナーへの感染リスクが高まるため、陰部に症状が現れた場合には自己判断で放置せず、早めに医師の診察を受けましょう。

性病ではない炎症性のできものの主な原因には細菌感染や免疫力低下などがある

陰部のできものは、必ずしも性病が原因とは限らず、日常生活の中で起こる炎症性であるケースも多く見られます。

これらは毛穴や皮脂腺が詰まり、そこに細菌が入り込んで炎症を起こす毛嚢炎粉瘤ニキビと呼ばれる良性のトラブルが代表的です。

炎症性のできものの原因としては、以下が挙げられます。

  • ムレ
  • 摩擦
  • カミソリでの自己処理による小さな傷
  • 免疫力の低下

特に女性は生理中のナプキンの着用やきつい下着によって通気性が悪くなり、雑菌が繁殖する環境が生まれる傾向にあります。

加えて、ストレスや寝不足による免疫力の低下も炎症を悪化させる要因となります。

できものが赤く腫れたり、白い膿が見えたりする場合は、皮膚の奥で細菌が繁殖しているサインです。

この段階で放置したり、自分で潰したりすると炎症が広がり、痛みや腫れが強くなる恐れがあります。

炎症性のできものは良性の場合でも、自己判断におけるケアによって悪化する可能性があります。

炎症性のできものの場合も軽く見ず、体からのサインとして受け止めて早めの対応を心がけるのが大切です。

陰部にできる毛嚢炎やニキビは適切な対策で改善できる

陰部にできる小さな赤い腫れやポツポツは毛嚢炎ニキビである場合が多く、主に外的刺激免疫力の低下が原因で発生します。

毛嚢炎は毛穴の奥にある毛包が炎症を起こした状態で、以下が発生のきっかけとなります。

毛嚢炎の主な原因
  • ムダ毛処理による肌の傷
  • 下着のこすれ
  • 汗や皮脂のムレ

特にカミソリを用いての自己処理は皮膚の表面を傷つける可能性が高く、そこに皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が入り込むと炎症が生じます。

さらに陰部は体の中でも特に湿度が高く、通気性が悪くなる傾向にある部位です。

そのため、わずかな摩擦汚れの残りが炎症の原因となる場合もあります。

免疫力が落ちているときには、普段は問題にならない程度の刺激の場合でも炎症が悪化し、痛みや腫れなどを伴う可能性があります。

特に生理中汗をよくかく時期は、清潔を保つ意識を持つようにしてください。

毛嚢炎やニキビへの対策 通気性や清潔を保つのが大切

対策としては、はじめにムダ毛の処理のときに肌を清潔にし、剃毛後は保湿を行って皮膚のバリア機能を守るのが大切です。

締め付けの強い下着や化学繊維の衣類は避け、通気性の良い素材を選ぶと陰部のムレを防げます。

加えて、入浴時にはゴシゴシせず、ぬるま湯と泡立てた石けんで指の腹を使って優しく洗うのが理想的です。

毛嚢炎やニキビは一見軽いトラブルに見えますが、繰り返す場合や痛みが強い場合には医療機関への診察が必要となります。

陰部を清潔な環境に保ち、刺激を最低限に抑えるのが再発防止への第一歩となります。

バルトリン腺嚢胞は女性の陰部にあるバルトリン腺の詰まりによって発生する

バルトリン腺嚢胞は女性の外陰部にあるバルトリン腺という分泌腺の出口の詰まりによって発生する良性の腫れです。

通常は小さなふくらみとして現れ、痛みもない場合が多いですが、詰まった袋状の部分に細菌が感染すると膿が溜まってバルトリン腺膿瘍へと進行します。

バルトリン腺膿瘍の状態になると急速に腫れが大きくなり、歩行や着席が困難になるほどの強い痛みを伴う可能性が高いです。

感染の原因となる細菌は大腸菌ブドウ球菌などの日常的に皮膚や腸に存在するもののほか、まれに以下の性感染症の病原体が関与するケースもあります。

バルトリン腺嚢胞の原因となる性感染症
  • 淋菌
  • クラミジア

そのため、バルトリン腺の腫れを単なるできものと判断して放置すると、炎症が悪化して発熱全身倦怠感を引き起こす恐れがあります。

バルトリン腺が膿瘍化した場合は自然に治る可能性が低く、医療機関で切開排膿処置抗菌薬の投与が必要です。

無理に自分で潰したり、温めたりすると炎症が広がって再発を繰り返す危険性があります。

さらに痛みや腫れが軽い段階でも、再発を防ぐために婦人科を受診して適切な診断とケアを受けるのが重要です。

日常生活では陰部を清潔に保ち、通気性の良い下着を着用すると細菌の繁殖を防げます。

陰部に違和感やしこりを感じた場合には、症状の悪化を防ぐためにも早めに医師に相談しましょう。

陰部のできものの色や形などから原因を冷静に判断するのが重要である

陰部にできものが現れた場合、不安や焦りから自己判断で処置をしてしまう人も少なくありません。

しかし、見た目の特徴や痛みの有無を冷静に観察すると、病気の原因炎症の程度を見極められます。

自己判断で放置するよりも、はじめに自分の症状を整理して危険度を確認するのが大切です。

自己判断での放置は危険

具体的には陰部のできものの色や形、痛み有無、数の変化から以下のようなチェックができます。

色の特徴
  • 陰部に赤みを帯びた発疹や水ぶくれがある場合:性器ヘルペスの可能性あり
  • 白っぽいイボ状の突起がある場合:尖圭コンジローマの可能性あり
  • 黒ずんだしこりがある場合:炎症血豆、まれに腫瘍性変化のケースあり
形の特徴
  • イボ状で増えるタイプ:性病の可能性が高い
痛みの有無
  • 強い痛みを伴う場合:性器ヘルペス腫瘍の可能性あり
  • 痛みがほとんどないイボ状のできものの場合:尖圭コンジローマの可能性あり
数の広がり方
  • できものが時間とともに増えたり、左右対称に広がったりする場合:感染症の可能性あり
  • 単発で小さい場合:毛嚢炎ニキビなど一時的な炎症の可能性あり

上記のようなチェックリストから性病かどうかの目安をつけられますが、あくまで自己チェックは初期判断のサポートであり、確定診断は医師による検査が必要です。

そのため、陰部に異常を感じた場合には早期に婦人科を受診しましょう。

陰部にできものを発見した場合には自己判断せずに早期に医療機関を受診するのが大切である

陰部にできものを見つけたとき、少し様子を見ようと考えてしまう人は少なくありません。

しかし、陰部は皮膚や粘膜が非常に敏感で、炎症や感染が広がる可能性が高い部位です。

痛みが軽い場合でも、放置により症状が進行して治療が長引いたり、再発を繰り返したりする恐れもあります。

特に性病が原因の場合、自己判断における対処では改善しない場合が多く、早期の受診が重要です。

医療機関への受診の目安としては、以下のような場合が挙げられます。

医療機関受診の目安
  • 陰部のできものが数日経っても治らない
  • 腫れや痛みが強くなっている
  • 膿や分泌物が出る
  • できものが増えている

さらに性行為の後に症状が現れたときや、再発を繰り返しているときも早めの検査が必要になります。

まずは婦人科を受診しよう

女性の場合は、基本的に婦人科を受診するようにしてください。

婦人科では性病やバルトリン腺の炎症、ホルモンバランスの乱れなど、女性特有の要因を含めて診察と検査を行います。

皮膚の炎症やかゆみを伴う場合は、皮膚科でも適切な診断を受けられる場合があります。

陰部の症状は恥ずかしさから受診をためらう人が多いですが、陰部のできものは体が発している大切なサインです。

不安の解消や健康回復のためにも、早期に医師の診断を受けましょう。

心と体の健康を取り戻すには陰部のできものに加えて症状に合わせた対処が重要である

陰部のできものは性病炎症免疫力の低下など、原因が多岐にわたります。

できものの見た目のみで自己判断するのは難しく、誤った自己判断は症状の悪化を招く恐れがあります。

そのため、できものの色や形、痛みの有無などを冷静に観察して正しい知識をもとに早期に医療機関へ受診するのが大切です。

婦人科でできものの原因を特定し、適切な治療を受けるのが体だけでなく心の不安を取り除く第一歩となります。

健康な日常を取り戻すためにも、日常の小さな違和感を放置せず、体が発しているサインに真摯に向き合いましょう。

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