デリケートゾーンのかゆみは、多くの女性が経験する症状の1つです。
デリケートゾーンのかゆみの原因は様々で、放置すると症状を悪化させたり、合併症を引き起こしたりする危険性を高めます。
このような症状の悪化や合併症は、早期の適切な治療により予防が可能です。
この記事では、デリケートゾーンのかゆみで病院を受診すべき理由について解説します。
- デリケートゾーンのかゆみが起こる原因
- デリケートゾーンのかゆみと感染症の関係性
- デリケートゾーンの症状の悪化や合併症を予防するためのポイント
デリケートゾーンのかゆみが起こる原因や感染症との関係性、デリケートゾーンの症状の悪化や合併症を予防するためのポイントなどを具体的に紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
デリケートゾーンのかゆみは女性に多く見られる症状である
デリケートゾーンのかゆみは、多くの女性が経験する不快な症状です。
他の人になかなか相談できない症状ですが、女性の約60%がデリケートゾーンの悩みやトラブルを抱えているといわれています。
その中でも、かゆみの悩みやトラブルが最も多いと調査により明らかにされています。
このかゆみは、一時的な刺激によるものから、性感染症によるものまで原因や症状が多様なのが特徴です。

そのため、症状に気づいたら早期に医療機関を受診して、検査を受けるのが最も大切です。
特にかゆみが続く場合や痛みを伴う場合は、医療機関での診断が重要となります。
デリケートゾーンのかゆみがどのような原因で発生するかを理解する

デリケートゾーンのかゆみは、以下のように様々な原因が考えられます。
- かぶれ
- 性感染症
- 生理やホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 体温の上昇
デリケートゾーンのかゆみの原因の1つとして、かぶれがあります。
かぶれが起こるのは、以下のような皮膚への外的な刺激が原因といわれています。
- デリケートゾーンの蒸れ
- 下着の締め付け
- 生理用ナプキンやおりものシート、タンポンの使用
- 肌に合わない物質によるアレルギー反応
かぶれ以外にも、性感染症が原因でデリケートゾーンにかゆみを引き起こす場合があります。
かゆみを伴う代表的な性感染症としては、以下が挙げられます。
- トリコモナス性感染症
- 性器ヘルペス
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
上記の性感染症は、種類により症状が異なるのが特徴です。
他にも膣炎や乾燥、過度の洗浄もかゆみを引き起こす可能性があります。
デリケートゾーンのかゆみは様々な原因が考えられるため、適切に対処するためにも医療機関で早期に診断を受けるのが重要となります。
様々な感染症がデリケートゾーンのかゆみを引き起こす原因となる

様々な感染症が原因で、デリケートゾーンのかゆみを引き起こすといわれています。
デリケートゾーンのかゆみを引き起こす感染症には、以下が挙げられます。
感染症 | 症状 |
---|---|
カンジダ症 | おりもの量やにおいが変化する 膀胱炎のような排尿痛がある 白くポロポロとしたカッテージチーズ状のおりものに変化する 膣にヒリヒリ感や刺激感、熱感を感じる デリケートゾーンの周辺に発疹や発赤ができる |
トリコモナス性感染症 | 黄緑色の悪臭を伴う泡状のおりものに変化する 膀胱炎のような排尿痛がある 性交時や性交後に痛みを感じる デリケートゾーンの周辺が赤くなる |
性器ヘルペス | デリケートゾーンに強いかゆみがある デリケートゾーンに潰瘍や水ぶくれができる |
クラミジア感染症 | 白から黄色っぽいおりものが増加する 不正出血がある 性交時や性交後に下腹部の痛みを感じる 排尿痛がある |
淋菌感染症 | おりものの量やにおいが変化する 膀胱炎のような排尿痛がある 不正出血がある 性交時や性交後に痛みを感じる 喉の痛みや腫れがある 咳や発熱などの症状が見られる |
梅毒 | デリケートゾーンにしこりができる 手足や体に赤い発疹ができる デリケートゾーンに潰瘍ができる |
マイコプラズマ | 排尿痛がある おりものの量が増える 子宮頚部に炎症が生じる デリケートゾーンに違和感がある |
ウレアプラズマ | 排尿痛がある おりものの量が増える デリケートゾーンにかゆみや違和感がある |
毛じらみ | デリケートゾーンにかゆみがある 搔いた箇所に痛みを感じる 体毛に灰色がかった粒状の卵が見られる 下着に黒色点状のシミがつく |
いんきんたむし | デリケートゾーンに強いかゆみを伴う 発疹や水ぶくれができる |
上記の性感染症は、かゆみとともにおりものに変化が現れたり、痛みを生じたりする場合があります。
ただし、現れる症状には個人差があるため、性感染症ごとの症状を理解して早期受診につなげるのが大切です。
デリケートゾーンのかゆみの診断のために病院で検査が実施される
デリケートゾーンにかゆみがある場合、病院で以下の検査が実施されます。
- 視診(内診)
- 分泌物の顕微鏡検査
- 細菌培養検査
- 分泌物のPCR検査
- 血液検査
- 尿検査
上記の検査によりかゆみの原因が特定されると、適切な治療がおこなわれます。
しかし、感染症は無症状や症状が軽い場合もあるため、定期的に検査を受けるのが重要です。
他にもパートナーへの感染や母子感染を防ぐためにも、デリケートゾーンの症状に気づいたら早急に病院を受診しましょう。
デリケートゾーンのかゆみは自己判断すると症状を悪化させる危険がある

デリケートゾーンのかゆみは自己判断すると、症状をさらに悪化させる危険性を高めます。
一般的に感染症は、自然治癒しません。
そのため、デリケートゾーンのかゆみの原因が感染症である場合、適切な治療が必要となります。
自己判断して症状を放置すると、以下のような合併症や健康障害を引き起こす可能性があります。
- 卵管炎や骨盤内炎症性疾患
- 不妊症
- パートナーへ感染させる
- 母子感染
- 再発
症状が悪化して合併症を引き起こすと、治療の長期化を招きます。
しかし、このような合併症は早期に適切な治療により予防が可能です。
他にもかゆみの原因がかぶれやホルモンバランスの変化などの場合でも、放置によりデリケートゾーン周辺の皮膚が荒れてしまう可能性があります。
そのため、自己判断せずに病院で診断を受けるのが最も大切です。
デリケートゾーンの症状の悪化や合併症を防ぐためにも、早期に受診して適切な治療を受けましょう。

デリケートゾーンのかゆみの治療方法は原因に応じて異なる
デリケートゾーンのかゆみの治療方法は、原因に応じて異なります。
原因に応じた治療方法は、以下の通りです。
- かぶれ:保湿剤やステロイド外用剤
- 生理やホルモンバランスの乱れ:保湿剤や抗ヒスタミン薬、ステロイド外用剤
- カンジダ症:抗真菌薬(膣錠や内服薬)
- トリコモナス性感染症:抗寄生虫薬(膣錠や内服薬)
- 性器ヘルペス:抗ウイルス薬(内服薬)
- クラミジア感染症:抗生剤(内服薬)
- 淋菌感染症:抗菌薬(筋肉注射や点滴)
- 梅毒:ペニシリン系の抗菌薬(内服や注射)
- マイコプラズマ:抗生剤(内服)
- ウレアプラズマ:抗生剤(内服)
- 毛じらみ:剃毛や薬用シャンプー、清潔な下着の着用
- いんきんたむし:抗真菌外用薬
治療期間は上記のような原因や個人の体調、症状によって異なります。
完全に治癒させるためにも、必ず医師の指示に従って治療を受けてください。

デリケートゾーンのかゆみを抑える市販薬は、ドラッグストアなどで購入できます。
しかし、この市販薬は一時的な症状の緩和を目的としています。
女性はデリケートゾーンのかゆみを予防するための心がけをしよう

デリケートゾーンのかゆみを予防するために、日ごろから心がけを持つのが重要となります。
かぶれや生理などが原因の場合は、以下のような心がけが効果的です。
- デリケートゾーン専用の洗浄剤を使用する
- 自分の肌に合った刺激の少ない生理用品を選ぶ
- 通気性の良い下着を選ぶ
- 香料付きの製品を避ける
- 汗はこまめに拭き取る
- 洗浄後に適切に乾燥させる
- ぬるま湯で優しく洗浄する
さらに感染症が原因の場合には、以下の取り組みが予防に有効です。
- 避妊具を適切に使用する
- 特定のパートナー以外との性行為は控える
- 定期的に検査を受ける
- シャワーや入浴で体を清潔に保つ
- 体調不良時や生理中は性行為を控える
- 寝具を清潔に保つ
- 歯ブラシやタオルなどの共用はしない
他にも睡眠不足やストレスは、デリケートゾーンのかゆみを引き起こす原因になります。
そのため、質の良い睡眠や定期的なストレス発散を心がけましょう。
デリケートゾーンのかゆみを予防して快適に生活するために、上記のような心がけを日常生活の中で意識的に取り入れるのが大切です。

デリケートゾーンのかゆみは早期の診断と治療が重要となる
デリケートゾーンのかゆみは、早期の診断と適切な治療が重要となります。
デリケートゾーンのかゆみを自己判断して放置すると、症状が悪化して様々な合併症を引き起こす可能性があります。
しかし、病院で早期に診断を受けて適切な治療により、症状の悪化や合併症の予防が可能です。
そのため、症状に気づいたら早期に病院を受診して、原因に応じた適切な治療を受けましょう。
さらにデリケートゾーンのかゆみを予防するために、日常生活の中で心がけを持つのも大切です。